握力の鍛え方や知識

握力50kgあれば何が潰せる?できることと全体の割合を徹底調査

「握力50kg」と聞いて、あなたはどんなイメージを持つでしょうか。リンゴを潰せる、缶を簡単に握り潰せる、そんな力持ちのイメージがあるかもしれません。

実際のところ握力50kgは一般的にかなり強い部類に入ります。しかし年齢や性別によって、その評価は大きく変わってくるのです。

本記事では握力50kgの人が実際に何を潰せるのか、日常生活でどんなことができるのかを具体的に解説していきます。さらに全人口における握力50kg保持者の割合や、50kgに到達するためのトレーニング方法まで詳しくお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

握力50kgは強いのか?年齢別・男女別の割合

それではまず、握力50kgが全体のどれくらいの割合なのかについて解説していきます。

男性における握力50kgの割合

男性の場合、握力50kgは平均をやや上回る水準です。20代から40代の男性平均が46〜47kg程度であることを考えると、50kgは上位30〜40%に入る数値でしょう。

ただし年齢によって評価は大きく異なります。20代男性で50kgであれば平均よりやや上程度ですが、60代男性で50kgを維持していれば、かなり優秀な部類に入るのです。

年齢 平均握力 50kg到達率(推定)
20代 46〜47kg 約40%
30代 46〜47kg 約35%
40代 45〜46kg 約30%
50代 43〜45kg 約20%
60代 40〜42kg 約10%
70代 35〜37kg 約3%

職業による差も無視できません。デスクワーク中心の男性では50kg到達者は少なめですが、建設業や運送業など身体を使う仕事をしている人では、50kg以上が珍しくないでしょう。

男性で握力50kgは「まずまず強い」レベル。トレーニング経験者や肉体労働者では標準的な数値

女性における握力50kgの割合

女性で握力50kgとなると、話は全く変わってきます。女性の平均握力は28kg前後であり、50kgは非常に高い水準なのです。

女性で50kgに到達している人は、全体の1%未満と推定されます。スポーツ選手、特に柔道・レスリング・ボルダリングなど握力を多用する競技のアスリートレベルでしょう。

一般女性で握力50kgを目指すのは現実的ではありません。女性ホルモンの関係で筋肉がつきにくいこと、骨格や手の大きさの違いなどが影響しているのです。

女性の場合、30kg以上あれば日常生活で困ることはほとんどありません。35kg以上あれば「かなり強い」と評価されるレベル。40kg以上となれば、アスリートか相当なトレーニング経験者でしょう。

したがって女性が握力50kgを持っているとすれば、それは極めて特殊なケース。プロのスポーツ選手か、特殊な職業に就いている可能性が高いと言えます。

年齢別で見る握力50kg到達者の比率

全年齢を通して見ると、握力50kg以上を持つ人は全人口の約10〜15%程度と推定されます。男女比を考慮すると、その大半は男性です。

若年層ほど50kg到達者の割合が高く、高齢になるほど減少していきます。これは加齢による筋力低下が避けられないためでしょう。

興味深いのは、同じ50kgでも年齢によって意味合いが全く異なること。25歳で50kgなら「普通より少し強い」程度ですが、65歳で50kgなら「同年代の上位5%以内」に入る可能性があるのです。

また時代による変化も見逃せません。昔の日本人は肉体労働が多く、握力の平均値も今より高かったとされています。現代はデジタル化で手を使う機会が減り、全体的な握力低下が指摘されているでしょう。

握力50kgで実際に潰せるもの一覧

続いては握力50kgで実際に何が潰せるのか確認していきます。

果物類で潰せるもの

握力50kgあれば、多くの果物を握り潰すことが可能です。ただし潰せるかどうかは、果物の大きさや熟し具合にも左右されます。

果物 必要な握力 50kgで可能か
みかん 15〜20kg ◎ 余裕で潰せる
25〜30kg ◎ 簡単に潰せる
20〜25kg ◎ 簡単に潰せる
リンゴ(小〜中) 45〜55kg ○ ギリギリ潰せる
リンゴ(大) 60〜70kg △ 難しい
グレープフルーツ 50〜60kg △ 条件次第
レモン 30〜35kg ◎ 余裕で潰せる

よく「リンゴを握り潰せる」という表現が使われますが、これは握力50〜60kg程度が目安。小ぶりなリンゴであれば50kgでも潰せる可能性がありますが、大きなリンゴは難しいでしょう。

リンゴを潰す際のコツは、手のひら全体で包み込むように握ること。指先だけでは力が分散してしまい、十分な圧力をかけられないのです。

また果物の鮮度も重要。熟して柔らかくなっているものは潰しやすく、硬くて新鮮なものは必要な握力が高くなります。

日用品・容器類で潰せるもの

果物以外にも、握力50kgあれば様々なものを潰したり変形させたりできるでしょう。特にアルミ缶は余裕で潰せるレベルです。

空のアルミ缶を縦方向に握り潰すのは、握力30kg程度あれば可能。50kgあれば片手で簡単にペシャンコにできます。ただし横方向から潰すのはかなり難易度が高いでしょう。

紙コップも簡単に握り潰せます。必要な握力は10〜15kg程度なので、50kgあれば瞬時に潰せるのです。プラスチックの飲料ボトルも、薄手のものなら変形させられます。

握力50kgでは鉄製の缶やガラス瓶は潰せない。アルミ缶と鉄缶を混同しないように注意

意外と潰せないのがスチール缶。ビールの缶などはアルミ製が多いものの、一部の缶詰などはスチール(鉄)製。これは握力50kgでは全く歯が立ちません。

ゴルフボールも握り潰すのは不可能でしょう。見た目は柔らかそうですが、内部構造が頑丈で、人間の握力では変形させることができないのです。

卵は握力というより、握り方の問題。正しく握れば意外と割れにくく、逆に力任せに握ると簡単に割れてしまいます。握力50kgなら、どんな握り方でも割れてしまうでしょう。

潰せそうで潰せないもの

握力50kgでも潰せないものは意外と多いです。テニスボールは握力60〜70kg程度が必要とされています。

テニスボールの内部は空洞で圧縮空気が入っているため、相当な力が必要。握力50kgでは表面が少し凹む程度で、完全に潰すことはできないでしょう。

クルミも殻付きのまま握り潰すのは困難。クルミ割りには70kg以上の握力が必要とされ、50kgでは割れません。専用のクルミ割り器を使うのが賢明です。

意外なところでは、ペットボトルのキャップも硬いものは50kgでは開けにくいことがあります。キャップを開けるのは握力だけでなく、手首の力や指先の技術も必要なためです。

またトランプを片手で破くには握力だけでなく、指の力と技術が必要。握力50kgあっても、やり方を知らなければ破けないでしょう。

握力50kgあるとできること

続いては握力50kgがあると日常生活でどんな場面で役立つのか確認していきます。

日常生活で有利になる場面

握力50kgあれば、日常生活のほとんどの場面で困ることはありません。むしろ周囲より有利に働く場面が多いでしょう。

瓶の蓋を開けるのは簡単。固くて開かない蓋も、握力50kgあればスムーズに開けられます。家族や友人から頼られる場面も増えるかもしれません。

重い荷物を持つときも安定感が違います。握力が強いと物を落とすリスクが減り、長時間持ち続けることも可能。引っ越しや模様替えなどで重宝されるでしょう。

雑巾絞りも力強くできます。掃除の際に雑巾をしっかり絞れると、床が早く乾いて効率的。握力が弱いと水分が残ってしまい、掃除の質が下がってしまうのです。

ドアノブやレバーの操作も確実にできます。特に古い建物の重いドアや、固くなった水道の蛇口なども、握力50kgあれば問題なく操作可能でしょう。

買い物袋を複数持つときも楽。指にかける袋の数が増えても、握力があれば痛みを感じにくく、安定して運べます。

スポーツや趣味での活かし方

スポーツの分野では、握力50kgは多くの競技で有利に働きます。特に道具を握るスポーツでは顕著な差が出るでしょう。

野球やテニス、ゴルフなどのラケット・バットスポーツでは、握力が強いほどスイングが安定します。インパクトの瞬間にしっかり握れることで、ボールに力を伝えられるのです。

ボルダリングやロッククライミングでは握力が直接的に成績に影響します。50kgあれば中級レベルのルートは問題なく登れるでしょう。上級を目指すなら60kg以上が理想的です。

柔道や格闘技では、相手の道着や腕をしっかり掴めることが重要。握力50kgあれば、技をかける際に相手を確実にコントロールできます。

釣りでも握力は重要。竿を長時間持ち続けたり、大物がかかったときにリールを巻いたりする際、握力があると疲れにくく有利でしょう。

筋トレでも握力の恩恵は大きい。デッドリフトやロウイングなど、握力が必要な種目で重い重量を扱えるようになります。

仕事や作業で役立つシーン

職種によっては、握力50kgが業務効率に直結することもあります。特に肉体労働系の仕事では大きなアドバンテージでしょう。

建設業では工具を扱う場面が多く、握力があると作業が早く正確になります。ハンマーやドライバーを長時間使っても疲れにくく、生産性が上がるのです。

配送業や倉庫作業でも握力は重要。重い荷物を持ち運ぶ際、握力が弱いと落下事故のリスクが高まります。50kgあれば安全に作業できるでしょう。

美容師や理容師も意外と握力を使う職業。ハサミを長時間使い続けるため、握力がないと手が疲れて細かい作業ができなくなってしまいます。

農業でも握力は必須。重い農機具を扱ったり、収穫物を運んだりする際に握力が必要です。50kgあれば大抵の農作業は問題なくこなせます。

医療や介護の現場でも握力は役立つでしょう。患者を支えたり移動させたりする際、握力があると安全かつスムーズに介助できるのです。

握力50kgに到達するためのトレーニング方法

続いては現在握力50kg未満の方が、50kgに到達するためのトレーニング方法を確認していきます。

初心者向けの基礎トレーニング

握力トレーニングの基本は、適切な負荷で継続的に鍛えることです。いきなり高負荷のトレーニングを始めると、腱鞘炎などのリスクがあります。

まずは現在の握力の70%程度の負荷から始めましょう。例えば現在35kgなら、25kg程度のグリッパーが適切です。10〜15回を3セット、週3回程度が理想的でしょう。

握力40kg以下の人が50kgに到達するには、平均6ヶ月〜1年程度のトレーニングが必要

自宅でできる簡単なトレーニングとして、タオル絞りがあります。濡れたバスタオルを両手でしっかり絞る動作を、1日10回×3セット行うと効果的です。

新聞紙を使ったトレーニングも手軽。新聞紙1枚を片手で丸めて握り潰す動作を繰り返します。最初は簡単ですが、徐々に速度を上げたり、複数枚重ねたりして負荷を調整できるのです。

ぶら下がり運動も効果的。公園の鉄棒や家にある鉄棒にぶら下がり、できるだけ長く姿勢を保ちます。最初は10秒から始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。

握力50kg達成に効果的な器具

本格的に握力を鍛えるなら、専用のトレーニング器具を使うのが最も効率的でしょう。器具ごとに特徴があるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。

ハンドグリッパーは握力トレーニングの定番。負荷調整ができるタイプを選べば、長期間使い続けられます。初心者は20〜30kgから始め、徐々に負荷を上げていくと良いでしょう。

パワーボールは回転する重りを使ったトレーニング器具。握力だけでなく前腕全体を鍛えられるため、総合的な腕の強化に効果的です。

リストローラーは前腕の筋力強化に特化した器具。バーに紐をつけ、その先に重りをぶら下げて巻き上げる動作を繰り返します。握力と前腕の持久力が同時に鍛えられるのです。

握力計自体もトレーニングツールになります。定期的に測定することでモチベーションが維持でき、成長を実感できるでしょう。

ダンベルを使った前腕トレーニングも有効。リストカールやリバースリストカールなど、前腕の筋肉を鍛えることで握力も向上します。

トレーニング期間と注意点

握力50kg到達までの期間は、現在の握力レベルと年齢によって大きく異なります。一般的には以下が目安でしょう。

現在30kg台の人は1年〜1年半、40kg台の人は6ヶ月〜1年程度が目安。ただし年齢が高くなるほど時間がかかる傾向があります。

トレーニングの頻度は週3〜4回が理想的。毎日やりすぎると回復が追いつかず、かえって逆効果。筋肉は休息中に成長するため、適度な休養が必要なのです。

注意すべきは腱鞘炎のリスク。手首や指に痛みを感じたら、すぐにトレーニングを中止して休養しましょう。無理を続けると慢性的な障害につながる可能性があります。

栄養面も重要。タンパク質を十分に摂取しないと、筋肉が成長しません。体重1kgあたり1.5〜2gのタンパク質を目安に、肉・魚・卵・大豆製品を積極的に摂りましょう。

睡眠も筋肉の成長に不可欠。7〜8時間の質の良い睡眠を確保することで、トレーニングの効果が最大化されます。

50kgに到達したら、そこで満足せず維持するためのトレーニングを続けることが大切。何もしないと数ヶ月で元のレベルに戻ってしまう可能性があるのです。

まとめ 握力50kgの割合やできることは?りんごは潰せる?

握力50kgは男性では平均をやや上回る水準で、全体の30〜40%程度が該当します。女性では極めて高い水準で、1%未満の割合でしょう。年齢が上がるほど50kg到達者の割合は減少していきます。

握力50kgあれば、みかんや柿は余裕で潰せ、小ぶりなリンゴもギリギリ潰せる可能性があります。アルミ缶は簡単に潰せますが、テニスボールやクルミは難しいでしょう。日常生活では瓶の蓋開けや重い荷物の運搬が楽になり、スポーツや仕事でも有利に働く場面が多くあります。

50kgに到達するには、現在の握力レベルにもよりますが、6ヶ月から1年程度の継続的なトレーニングが必要です。適切な負荷設定と十分な休養、栄養摂取を心がけながら、焦らず着実にトレーニングを続けることが成功の鍵となるでしょう。