握力の鍛え方や知識

握力150kgは人類最強レベル?到達者の実例と世界記録を徹底調査

握力150kgと聞いて、あなたはどんなイメージを持つでしょうか。「人間離れした力」「超人的な数値」そんな印象を抱くのが自然です。実際、一般男性の平均握力が46kg程度であることを考えると、150kgはその3倍以上にあたります。

結論から言えば、握力150kgは人類の中でも最強レベルに位置する数値です。世界のトップアスリートやストロングマン競技の選手でも、この領域に到達できるのはごく一部なのです。

本記事では握力150kgが世界的にどのレベルなのか、どんな競技や職業の人が到達しているのか、そして150kgの握力で何ができるのかを詳しく解説していきます。さらに一般人が150kgを目指すことの現実性まで網羅的にお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

握力150kgは世界でどのレベルなのか

それではまず、握力150kgが世界的にどの程度のレベルなのかについて解説していきます。

握力の世界記録と150kgの位置づけ

握力の公式世界記録は、ギネス世界記録として認定されている192.5kgです。1980年代後半に記録されたこの驚異的な数値は、30年以上更新されていません。

この世界記録と比較すると、150kgは約78%の水準。世界最高ではありませんが、人類の上位0.001%には確実に入る数値なのです。

レベル分類 握力範囲 該当者
世界記録級 180kg以上 歴代数名のみ
世界トップ10 160〜180kg 現役選手数名
世界トップ50 150〜160kg 推定50名前後
世界トップ100 140〜150kg 推定100名前後
国際レベル 130〜140kg 推定数百名
国内トップ 110〜130kg 各国数十名

興味深いのは、世界記録が30年以上更新されていないこと。これは測定方法の厳格化や、競技としての握力測定の人気変化が影響している可能性があるでしょう。

握力150kgは世界記録の約78%だが、到達できる人は世界で数十人から百人程度と推定される極めて稀な領域

日本国内で見ると、公式記録は116.5kg程度。150kgという数値は日本記録を30kg以上も上回る、国内では前人未到のレベルなのです。

ストロングマン競技の世界大会レベルでは、150kg以上の握力を持つ選手が複数います。彼らにとって150kgは「世界トップレベルの入口」とも言える数値でしょう。

握力測定の方法によっても数値は変わります。スプリング式グリッパーの閉鎖と、油圧式握力計での測定では結果が異なるため、単純比較は難しい面もあるのです。

一般人との圧倒的な差

握力150kgがどれほど特別かを理解するには、一般人との比較が最も分かりやすいでしょう。その差は想像を絶するレベルなのです。

20代男性の平均握力は46〜47kg。つまり150kgは平均の3.2倍以上。これは体重60kgの人と体重190kgの人を比較するようなものです。

女性の平均握力28kgと比較すると、なんと5.4倍。握力150kgの人が軽く握る程度の力でも、一般女性の最大握力を超えてしまう可能性があります。

握力50kgで「まあまあ強い」と評価される中、150kgはその3倍。日常生活では全く想像できない領域でしょう。

年齢別で見ても圧倒的。70代男性の平均握力は35kg程度ですが、150kgの人は高齢になっても100kg以上を維持する可能性があります。つまり老いてもなお、若い成人の2倍以上の握力を持つのです。

一般的な筋トレ愛好家でも、到達できる握力は60〜80kg程度。ジムに通って真剣にトレーニングしても、150kgは遥か彼方の目標なのです。

握力100kgでさえ、一般人の中では0.1%未満の存在。150kgはその更に上、全人口の0.001%にも満たない超レアな領域でしょう。

握力150kgを持つ人の割合

世界人口約80億人の中で、握力150kg以上を持つ人は推定で数十人から数百人程度と考えられます。これは統計的にほぼ測定不可能なレベルの希少性です。

ストロングマン競技の世界選手権レベルの選手、パワーリフティングやアームレスリングのトップ選手を合わせても、世界で100〜200人程度でしょう。

日本国内では、握力150kgに到達している人はほぼ存在しないと推測されます。公式記録が116.5kgであることからも、その困難さが分かるのです。

握力150kg保持者は全人口の0.0000025%程度。1億人に25人いるかどうかという超希少な存在

アメリカやヨーロッパなど、ストロングマン競技が盛んな国では、握力150kg超えの選手がやや多い傾向があります。競技人口と育成環境が影響しているでしょう。

興味深いのは、握力150kgを持つ人のほぼ全員が男性であること。女性で150kgに到達した例は、世界的に見ても報告されていません。生物学的な筋力の上限が関係していると考えられます。

また全員がアスリートや特殊な職業に従事している点も共通。一般的な生活を送りながら自然に150kgに到達することは、事実上不可能なのです。

年齢層は20代後半から40代前半に集中しています。筋力のピークと競技経験の蓄積が重なる時期に、最高記録が出やすいのでしょう。

握力150kg保持者が従事する競技や職業

続いては握力150kgレベルの人々がどんな競技や職業に従事しているのか確認していきます。

ストロングマン競技での握力レベル

握力150kg以上を持つ人の大半は、ストロングマン競技のトップ選手です。この競技は純粋な力を競うため、極端に高い握力が求められるのです。

世界記録保持者は身長203cm、体重145kgという巨体の持ち主。彼はWorld’s Strongest Man(世界最強の男)のタイトルも獲得した伝説的な選手です。

World’s Strongest Manで複数回優勝している選手たちは、ほぼ全員が握力150kg以上。身長203cm、体重190kg超という規格外の体格を持つのです。

2017年の優勝者は握力測定で160kg以上を記録したとされ、デッドリフト500kgを持ち上げた際の握力は計り知れないでしょう。

これらの選手に共通するのは、極端な体格と長年の専門的トレーニング。平均身長200cm以上、体重150kg以上という巨体が、超人的な握力を生み出す基盤となっているのです。

ストロングマン競技では、握力を直接測定する種目だけでなく、重い物を運ぶファーマーズウォークなどでも握力が重要。彼らにとって150kg以上の握力は、競技で勝つための必須条件なのです。

北欧諸国やアメリカ、イギリスなどでこの競技が盛んで、トップ選手の多くがこれらの国出身。競技の伝統と育成システムが確立されているのでしょう。

パワーリフティング・アームレスリング界

ストロングマン以外にも、パワーリフティングやアームレスリングのトップ選手が握力150kg級の保持者として知られています。

パワーリフティングでは、デッドリフトで400kg以上を持ち上げる選手が存在します。これだけの重量を握って持ち上げるには、推定で130〜150kg以上の握力が必要でしょう。

世界記録レベルのパワーリフターは、デッドリフト500kgを素手で持ち上げることもあります。その握力は150kg以上と推測されるのです。

アームレスリングの世界チャンピオンクラスも、握力150kg前後を持つと専門家は推定しています。握力だけでなく、手首の力や前腕の筋力が極めて高いのです。

世界トップレベルのアームレスラーは、相手の手を握って制圧する力が桁違い。握力測定では150kgでも、実戦的な「握る力」はそれ以上かもしれません。

日本のパワーリフティング界でも、トップ選手の握力は80〜100kg程度。150kgには遠く及びませんが、それでも一般人の2倍以上の数値なのです。

これらの競技では、握力は勝敗を左右する決定的要素。相手の手を握って制圧する、重いバーベルを持ち上げるなど、直接的に競技成績に影響するため、極限まで鍛えられているのです。

その他の競技や職業での可能性

競技選手以外にも、特殊な環境や職業で高い握力を持つ人が稀に存在します。ただし150kgレベルは極めて例外的でしょう。

相撲の力士の中には、握力が120〜140kgに達する人がいると言われています。150kgまで到達した力士の公式記録は確認できませんが、横綱クラスの巨体なら可能性はあるかもしれません。

プロ格闘家の中でも、ヘビー級のトップファイターは高い握力を持ちます。総合格闘技のヘビー級王者クラスで、推定120〜140kg。150kgには届きませんが、相当なレベルです。

林業や建設業で長年働いてきた人の中にも、稀に100kg超えの握力を持つ人がいます。ただし150kgは職業による自然な発達では到達困難で、意図的なトレーニングが必要でしょう。

職業や一般的なスポーツでは、どんなに鍛えても握力150kgへの到達はほぼ不可能。専門的な競技とトレーニングが必須

ボディビルダーは見た目の筋肉量は多いものの、握力はそれほど高くありません。70〜90kg程度が一般的で、握力特化のトレーニングをしていないためです。

体操選手や器械体操のアスリートは、体重に対して非常に高い握力を持ちますが、絶対値では80〜100kg程度。150kgには遠く及ばないでしょう。

つまり握力150kgは、特定の競技に特化した世界トップレベルのアスリートだけが到達できる領域なのです。

握力150kgで何ができる?潰せるもの

続いては握力150kgで実際に何ができるのか確認していきます。

果物・食品で潰せるもの

握力150kgあれば、ほぼすべての一般的な果物を瞬時に潰せます。その破壊力は想像を絶するレベルでしょう。

リンゴは当然のこと、大きなグレープフルーツやメロンでも簡単に潰せます。果汁が飛び散るほどの圧力を一瞬でかけられるのです。

ココナッツも素手で割れる可能性があります。通常は人間の握力では不可能とされていますが、150kgあれば殻に亀裂を入れることは十分可能でしょう。

生のニンジンやジャガイモも握り潰せます。硬い野菜でも、150kgの圧力には耐えられません。まるで粘土を握るような感覚かもしれないのです。

小さめのカボチャも潰せる可能性が高い。通常は握力100kgでもギリギリですが、150kgなら余裕を持って潰せるでしょう。

食品 必要な握力 150kgで可能か
リンゴ(大) 60〜70kg ◎ 瞬時に潰せる
ココナッツ 120〜150kg ○ 割れる可能性あり
カボチャ(小) 90〜100kg ◎ 余裕で潰せる
生のニンジン 80〜90kg ◎ 簡単に潰せる
スイカ(小) 100〜120kg ◎ 潰せる

スイカも小ぶりなものなら握り潰せるでしょう。大きなスイカは手で掴みきれないため難しいかもしれませんが、掴める範囲なら圧力で割れるはずです。

クルミは殻ごと簡単に潰せます。握力60〜70kgで割れるとされているので、150kgあれば複数個を一度に握り潰すことも可能かもしれません。

日用品・スポーツ用品の破壊力

日用品に対しては、握力150kgは驚異的な破壊力を発揮します。通常では変形しないものも、簡単に壊せるのです。

アルミ缶は紙のように潰せるでしょう。握力50kgでも潰せるので、150kgなら一瞬でペシャンコにできます。

スチール缶も変形させられる可能性が高い。通常は人間の握力では不可能ですが、150kgの圧力なら凹ませることは十分可能です。

テニスボールは完全に潰せます。内部の空気が一気に抜けて、元の形に戻らないほど変形するでしょう。

ゴルフボールも握り潰せる可能性があります。通常は人間の握力では不可能とされていますが、150kgレベルになると変形させられるかもしれません。

握力150kgでは、野球のボールを変形させたり、厚い雑誌を握り潰したりすることも可能

野球のボールも、外側の革が破れるほどの圧力をかけられます。内部が圧縮されて、ボールとして使えなくなるレベルでしょう。

トランプは片手で簡単に破れます。52枚のデッキ全体を一度に引き裂くことも可能かもしれません。

厚手の雑誌や電話帳も握り潰せるでしょう。ページが密着していても、150kgの圧力には耐えられないのです。

ペットボトルは当然のこと、硬めのプラスチック容器も変形させられます。日常生活で「固くて開かない」というものは、ほぼ存在しないレベルです。

握力150kgでも不可能なこと

しかし握力150kgでも、物理的・構造的に破壊できないものは多数存在します。人間の握力には限界があるのです。

ボウリングのボールは全く歯が立ちません。プラスチックと樹脂の塊で、極めて頑丈な構造。握力200kg以上でも変形させるのは困難でしょう。

鉄製のドアノブやハンドルも握り潰せません。金属の強度は人間の握力を遥かに超えており、150kgでは表面に傷をつけることすら難しいのです。

石やレンガも握力では砕けません。これらを破壊するには、握力ではなく打撃力や圧縮力が必要。握る動作では力の方向が適していないのです。

ガラス瓶も意外と頑丈。握って割ることは困難で、むしろ手を怪我するリスクの方が高いでしょう。ガラスは圧縮力には強く、衝撃には弱いという特性があります。

自動車のハンドルを握り潰すこともできません。金属フレームの上にカバーがあるだけなので、カバーは変形させられても、フレーム自体は無傷です。

コンクリートや木材の棒も、握力では折れません。曲げる力や引っ張る力が必要で、握力だけでは対応できないのです。

つまり握力150kgは人間としては最強レベルですが、物理法則や材料の強度には勝てない。人間の力の限界を示す例とも言えるでしょう。

握力150kgに到達する人の特徴

続いては握力150kgに到達できる人の共通する特徴を確認していきます。

体格・骨格・遺伝的要素

握力150kgに到達する人には、明確な身体的特徴があります。これらは後天的な努力だけでは得られない要素も多いのです。

まず体格が極端に大きい。平均身長は190cm以上、体重は120kg以上が一般的です。小柄な人で握力150kgに到達した例は、世界的に見てもほぼ存在しません。

手の大きさも重要な要素。手のひらの長さが20cm以上、幅も広く、指が長い人が有利でしょう。握力計を効率的に握れることが、高い数値につながるのです。

骨格の太さも決定的。前腕の骨が太いと、筋肉の付着面積が広くなり、より強い力を発揮できます。手首の太さが20cm以上ある人が多いのです。

握力150kg保持者の平均体格:身長190cm以上、体重120kg以上、手のひら20cm以上

遺伝的に速筋繊維の割合が高いことも重要。速筋繊維が多い人は爆発的な力を出しやすく、握力も高くなる傾向があります。これは生まれつきの要素で、トレーニングでは変えられません。

テストステロン(男性ホルモン)のレベルも影響します。自然に高い人は筋肉がつきやすく、握力も向上しやすいのです。

家系的な要素も無視できません。親や祖父母が大柄で筋力が強い家系の人は、握力150kgに到達しやすい傾向があるでしょう。

つまり握力150kgには、努力だけでなく生まれ持った身体的素質が大きく影響するのです。

長年のトレーニング歴

身体的素質があっても、長年の専門的トレーニングなしに150kgは到達不可能です。最低でも10年以上の継続的な努力が必要でしょう。

握力150kg保持者のほとんどが、15〜20年以上のトレーニング歴を持ちます。10代から20代にかけて競技を始め、30代でピークに達するパターンが多いのです。

トレーニング内容も極めて専門的。ヘビーグリッパー、デッドリフト、ファーマーズウォーク、リストローラーなど、握力と前腕に特化したメニューを週5〜6回行います。

重量も一般人の想像を超えるレベル。デッドリフトで300〜400kg、ファーマーズウォークで片手100kg以上のダンベルを使うのが日常です。

休養と栄養管理も徹底されています。1日の摂取カロリーは4000〜6000kcal、タンパク質は体重1kgあたり2〜3g以上。これだけの栄養を継続的に摂取し続けるのです。

怪我との戦いも避けられません。腱鞘炎、肘の炎症、手首の損傷など、様々な障害を乗り越えながらトレーニングを続けているでしょう。

コーチやトレーナーの指導も不可欠。独学では効率が悪く、怪我のリスクも高い。専門家の指導の下で、科学的なトレーニングを積み重ねているのです。

競技への専念度

握力150kgに到達する人は、ほぼ全員が特定の競技にフルタイムで従事しています。趣味やパートタイムの活動では、絶対に到達できないレベルなのです。

ストロングマン競技のプロ選手が最も多い。この競技で生計を立てるには、握力150kg以上がほぼ必須条件。賞金を稼ぐための投資として、握力を鍛えているのです。

1日の大半をトレーニングに費やしています。午前中に2〜3時間、午後にも2〜3時間、さらに栄養管理や休養を含めると、競技が生活の中心なのです。

パワーリフティングの世界記録保持者クラスも同様。デッドリフトで500kg近くを持ち上げるには、それを支える握力が必要。競技成績が握力に直結します。

アームレスリングのプロ選手も、握力150kg級がいます。相手の手を握って制圧する競技なので、握力が勝敗を決める決定的要素でしょう。

これらの競技では、握力が高いほど収入も増える傾向があります。つまり握力150kgは、彼らにとって生活のための必須スキルなのです。

握力150kg到達者のほぼ100%が、ストロングマン・パワーリフティング・アームレスリングなど握力特化競技のプロ選手

競技以外の職業で150kgに到達した人は、世界的に見てもほぼ存在しません。林業や建設業でも、最高で80〜100kg程度。150kgは職業による自然な発達では不可能なレベルです。

つまり握力150kgは、特定の競技に人生を捧げた人だけが到達できる領域。趣味やフィットネスの延長では、絶対に到達できないのです。

一般人が握力150kgを目指すことは可能か

続いては一般人が握力150kgを目指すことの現実性を確認していきます。

到達の現実性と必要な条件

結論から言えば、一般人が握力150kgを目指すのは非現実的です。身体的素質、時間、資金、環境のすべてが揃っても、到達できる保証はありません。

まず身体的素質が絶対条件。身長180cm未満、体重100kg未満の人が150kgを目指すのは、ほぼ不可能に近いでしょう。骨格と筋肉の絶対量が不足しているのです。

20代前半で握力が60kg未満の人も、150kgへの到達は極めて困難。若い時点である程度の素質がなければ、どんなにトレーニングしても限界があります。

時間的な投資も莫大。週5〜6回、1回2〜3時間のトレーニングを15年以上継続する必要があるでしょう。仕事や家庭との両立は非常に困難です。

金銭的な負担も無視できません。専門のコーチ、トレーニング施設、栄養補助食品、医療費などで、年間100万円以上かかる可能性があります。

一般人が握力150kgを目指すのは、オリンピック金メダルを目指すのと同等かそれ以上に非現実的

怪我のリスクも極めて高い。握力150kgを目指すトレーニングは身体への負担が大きく、腱鞘炎、肘の損傷、手首の障害などを引き起こす可能性が高いのです。

30歳を過ぎてから目指すのは、更に困難。筋力のピークを過ぎており、到達の可能性はほぼゼロに近いでしょう。

現在握力70〜80kgの人でも、150kgへの道のりは遥か彼方。あと70kgの向上は、最初の50kgを達成するより遥かに困難なのです。

リスクと注意点

握力150kgを目指すトレーニングには、深刻な健康リスクが伴います。これらのリスクを理解した上で判断すべきでしょう。

腱鞘炎や手根管症候群などの慢性障害のリスクが非常に高い。一度発症すると完治が難しく、日常生活にも支障をきたす可能性があります。

肘や手首の関節への負担も極大。高重量のトレーニングを続けることで、関節軟骨がすり減り、将来的に人工関節が必要になることもあるのです。

心臓への負担も無視できません。体重を120kg以上に増やし、高強度のトレーニングを続けることは、心血管系に大きなストレスをかけます。

体重増加に伴う健康リスクも考慮すべき。150kgの握力を持つ人の多くが体重120kg以上で、これは肥満による健康問題(糖尿病、高血圧など)のリスクを高めるのです。

握力150kgを目指すトレーニングは、健康を犠牲にする可能性が高く、医学的には推奨されない

日常生活との両立も困難。週5〜6回、1回2〜3時間のトレーニングを続けながら、通常の仕事や家庭生活を維持するのは現実的ではありません。

精神的なストレスも大きい。長年の努力にも関わらず目標に到達できない挫折感、怪我による中断、周囲からの理解不足などが、メンタルヘルスに影響を与える可能性があります。

現実的な目標設定の重要性

握力150kgを目指すよりも、現実的で健康的な目標設定をすることが重要です。自分の年齢や体格に合った目標を立てましょう。

一般男性なら、握力60〜70kgを目指すのが現実的。これは平均より15〜25kg高く、日常生活で「力が強い」と実感できるレベルです。

筋トレ愛好家や真剣にトレーニングする人なら、80〜90kgが良い目標。これなら2〜3年の継続的なトレーニングで到達可能な範囲でしょう。

握力100kgは一般人にとっての「最高到達点」とも言える数値。5年以上の専門的トレーニングと優れた素質があれば、到達できる可能性があります。

年齢別の現実的な目標も重要。40代なら平均+15kg、50代なら平均+10kgを維持することが健康的な目標です。無理な目標設定は怪我や健康被害につながります。

握力の目標は「平均+20kg」程度が現実的で健康的。150kgは一般人が目指すべき目標ではない

握力向上の目的も考え直すべきでしょう。日常生活を楽にする、スポーツのパフォーマンスを上げる、健康を維持するなど、実用的な目的を設定することが大切です。

握力150kgは憧れの対象として見る分には問題ありません。しかし実際に目指すのではなく、世界トップアスリートの凄さを理解し、自分は自分のペースで健康的に鍛える姿勢が重要なのです。

まとめ 握力150kgでできることや割合は?人類最強レベル?

握力150kgは世界記録192.5kgの約78%に相当し、人類の上位0.001%に位置する極めて稀な数値です。世界で数十人から数百人程度しか到達しておらず、日本国内ではほぼ存在しないレベルでしょう。

この領域に到達しているのは、ストロングマン競技、パワーリフティング、アームレスリングなどのトップ選手のみ。身長190cm以上、体重120kg以上という巨体と、15〜20年以上の専門的トレーニングが必要です。

握力150kgあれば、リンゴやココナッツ、カボチャなどほぼすべての果物を潰せ、スチール缶や野球のボールも変形させられます。しかしボウリングのボールや鉄製品、石などは潰せず、人間の握力の限界を示しているのです。

一般人が握力150kgを目指すのは非現実的であり、健康リスクも高いため推奨されません。現実的な目標は平均+20kg程度で、一般男性なら60〜70kg、真剣にトレーニングする人でも80〜100kgが適切な目標でしょう。握力150kgは世界トップアスリートの凄さとして理解し、自分自身は健康的で実用的な範囲で握力を鍛えることが重要なのです。